2012年6月7日木曜日

茂木健一郎氏 知性とは何か



スピーカー:
茂木健一郎 脳科学者

聴き手:
國領二郎 慶應義塾大学 教授

・才能とは「非典型的な知性」であり、これこそがグローバル社会で求められている
・知性のあり方、学力観を問い直さないと、日本はあぶない
・自然科学者が英語、文系学者が日本語で研究することが相互交流を分断している
・TOEICという検定試験のようなもので英語力を図るのはおかしい
・英語を学ぶ真の意味は、世界の知のバトルや現場の息吹を知るため
・圧倒的な知性の持ち主は、ペーパーテストなしでも話して、書いたものを見ればわかる
・遺伝の相関係数は平均50-60%、あとは環境によって決まる
・スティーブ・ジョブズのように「欠落」が非典型的な知性をはぐくむこともある
・美人は収束進化、皆の顔を平均的にしたものが美人。一方天才は収束的でなく、脳の特定部位の部分最適による
・大事なのはソーシャル・センシティビティ、グループで互いに能力を補い合うことで素晴らしいものを生み出せる
・面倒くさいことを粘り強くすると、脳の回路が活動しジェネラル・インテリジェンスは上がる
・非典型的な知性の育み方はケース・バイ・ケースで脳科学的にも不明
・パッション(受難が語源)、苦しんだ人、欠落した人が持つもの
・天才は、意識が押さえている無意識をうまく「脱抑制」できる人
・何が起こるかわからない状況にも適応できる知性を、いかにはぐくむか

内容メモ

39分:グループが能力を発揮する条件の研究で(1)能力の高い連中の集団(2)能力の高い人が司令塔の集団 よりも(3)ソーシャルセンシティビティ(相手の気持を慮る能力)が高い集団が一番良い結果を残した

42分:面倒くさいことを粘り強くやらせるとGファクターがのびるジェネラル・インテリジェンス(IQ・頭の良さ)は延びる。子供の頃からそういう訓練をしてるとIQは上がる

44分:社会が非典型を認めることが重要。



茂木健一郎 「脳と創造性」~慶應MCC夕学セレクション~(上)